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シジョウ大橋でユキさんと信号待ちをしていたら ショッキングピンクの洋服を着て 黒いスパッツを履き 前髪も後ろ髪も全部ひっつめて頭のてっぺんで大きなオダンゴにして 顔の半分はありそうな薄茶のサングラスをかけた 年の頃は50代前半くらいの女の人が、 猛スピードのママチャリを乗りこなし 急ブレーキをかけて私たちの目の前に止まった。 サングラスを少し下げて つけまつげが揺れる豊かな目元で 行き交う人を見て、夕暮れの空を見て、そして、 どこともいえない宙を凝視している。 洋服と同じくらい鮮やかな色をつけた唇を 耳まで届きそうなほどに引き上げてニタっと笑い、 私とユキさんの目を交互に見て 「あんなもん、信じたらアカンよ。」 と刺すような眼差しで言った。 そして自動車よりも速く、 自転車を飛ばして北の方に消えていった。 あんなもん、信じたらアカンよ、と口の中で繰り返してみる。 あんなもん、、、? ふと、私が見ているこの世界のことに思えた。 私の目は、 ゆがんでいないだろうか。 くもっていないだろうか。 人の想いや、自分の気持ちを、ねじ曲げてうけとめていないだろうか。 大切な人を大切に出来ているだろうか。 見あげた空は 透き通るようなピンクと水色の夕焼け空。 雑踏をくぐり抜けて虫たちの声が聞こえる。 秋の風が水辺の草を揺らしている。 自分の存在が、そういう現実の中の小さな一粒になった。 水のように、虫のように、草のように、ここにいる。 彼らは思うがままにうごいているのに、世界は止まっているかのように完璧だ。 いま、とても、気持ちがいい。 このことは、信じていい、と自分に確認をした。 信号が青になると、 まわりの世界がうごきだした。 「あの人は、魔女やね」 ユキさんが隣でつぶやいた。
by chigusawa
| 2009-09-20 00:00
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